STILL ILL

ロスジェネ・氷河期世代の雑記帳。

Comme des Garçons - Spring 2018

9/30にコム・デ・ギャルソンの最新コレクションが発表されました。

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西美での展覧会も記憶に新しいジュゼッペ・アルチンボルド

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いつもだけど、グラフィティでストリート感も取り入れて

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究極は高橋真琴の少女漫画!

 

今夏、ライデンで開催されたクールジャパン展覧会は海外における日本コンテンツの受容として興味深いとはいえ、コンテンポラリーの日本文化を知る身として恥ずかしい、お寒い印象を受けていました。アートも会田誠くらいしか展示ありませんでしたし。

 

コム・デ・ギャルソンこそ、いま輸出すべき究極の日本のコンテンツではないかな。などと、思った次第。

 

画像引用元:Comme des Garçons Spring 2018 Ready-to-Wear Collection Photos - Vogue

六本木アートナイト2017「未来ノマツリ」

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 一夜限りのアートの祭典「六本木アートナイト」へ。

 写真は東京初上陸となった東日本大震災支援の移動式コンサートホール「Ark Nova」の内部。アニッシュ・カプーアの意匠と磯崎新の構造、ルツェルン・フェスの企画意図と非の打ち所がない満点作品に思えました。また、人が時計の針となる「24時間人間時計」は、日本のアートプロジェクトが抱える課題の一つである搾取労働の問題を考えさせられ、素晴らしかったです。

 別件あり、じっくりと見ることはできなかったのですが、メインプログラム・アーティスト蜷川実花他、テーマ「未来ノマツリ」に沿う形に「#インスタ映え」する作品が数多く見られたのが印象的でした。また、近年はパリピのような非アート界隈の20代の方たちが多く見られるようになり、ある種、FASHION'S NIGHT OUTのような賑わいをみせていました。賛否あると思いますが、アートの多様性始め、新しい色々なものを包摂してるこのプロジェクトの進化を感じました。

リハビリ 後編

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草間彌生「Infinity Mirror Room」

ひっそりと常設展示!@ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館

 

公園の芝生でぼーっと景色を眺めているだけで、シアワセ

心配してくれた友人たちが方々連れ出してくれて、シアワセ

良い美術館、良い展示にたくさん出会えて、シアワセ

 

オランダに到着して1週間で頭の中のモヤモヤ感、こころの不安感は大分解消しました。大分というのは、モヤモヤ感や不安感は適応障害と診断されない状態でも、高度文明社会に生きる私たちにとって、「うまく付き合わなくちゃいけないもの」。すなわち、「完全に解消されないもの」と考えているからです。

要は、会社の人間関係という一番のストレス因から遠く離れた事が一番大きかったのでしょう。そして、大好きな国、大好きな友人たち、大好きなアートに囲まれ…自分にとって心地よい環境が回復をさせてくれたのだと思っています。

ただ、判断能力や処理速度についてはすぐに取りもどせたわけではなく。まず、「AとBのどっちにする?」の単純疑問に答えられるようになりました(…裏を返せば、発症以来、答えるのに通常の倍以上の時間がかかったり、脳から「わからない(焦)」って信号が出るなどして答えに窮していたという事です。不倫した芸能人でもないのに答えられないっていう)。そこから「どこに行きたい?」「何がしたい?」の質問に徐々に答える事ができるようになっていったです。

これは、オランダ人の形容としてよく表現されている論理的かつ合理的思考からくるコミュニケーションのスタイルが僕のリハビリには適していたと思っています。なぜなら、日本人同士だと、あえて説明しなくても、行間を読む、空気を読む、ノンバーバルのコミュニケーションが成り立つ場合が多いからです。会話の際に「〜だと思う」と続けて「なぜなら、〜だからです」というスタイルは、僕の脳の再活性化訓練になったろうなと。

また、ストレートな物言いをする人が多いけれど、そこに冷たいと感じないのも良かったです。おそらく、人間ファースト(人権意識の高さ、人に優しい社会)な部分や、オープンかつ柔軟性を備えた社会システムに依るのではないかと感じています。

他に、文化(特に現代アート)へのアクセスの良さも、救われたところが大きいです。世界最大のミュージアム密度を誇ることや、ゴッホレンブラントなどの才能を生み出したこともそうですが、僕にとっては何よりも「こんなところに高名なあの作品が!」「特に宣伝してないけど、この作品は!」と偶然を装うかのように巡り会える歴史的名品の数々、コレクションのセンスに共感してしまうことが多いのです。例えば、特にいまや天才の名をほしいままにする前衛芸術家・草間彌生の作品が美術館の地下のトイレ行く途中にひっそりと常設展示しているのがなんともカッコよかったり。フツーにゴッホ、フツーに草間に出会える国がオランダかなと思います。(この国でフツーにあえるといったらアイドルですからね)

もちろん、実際に住んでみたら、理想とは異なる部分、見えなかった嫌なことも見えてくるでしょう。ただ、今は大好きな国だし、大好きな友人たちもいる(感謝)、で、大好きなアートに囲まれる…自分にとって心地よい環境がありそうなら、そこに1パーセントでも未来を感じるのであれば、住んじゃってみてから考えればいーじゃん。

 

It just wasn't like the old days anymore

No, it wasn't like those days....

....am I still ill?

Am I still ill?

(The Smiths / Still Ill)

 

リハビリ 前編

f:id:enjoythesilence:20170927172249j:imageウォルフガング・ティルマンスの世界観をイメージした写真。

 

よーし、小さくはじめたから、プレッシャーゼロ。ストレスフリー。
移住を決心する直接の契機となった今回のオランダ旅。実は、ストレスかかりすぎて、気づいたら適応障害と診断され、その療養の目的もありました。2回目のエントリーでいきなりヘビーな話題ですが、今はもう大丈夫なので、後学のためにも記しておきたいと思います。

 

厚生労働省によれば、適応障害は下記の通りに定義されます:

適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。
ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。そういった場合は、カウンセリングを通して、ストレスフルな状況に適応する力をつけることも、有効な治療法です。

www.mhlw.go.jp

 

一般的な理解があまり進んでいないためか、怠け病とか言われたりしている。適応障害こそ(うつ病よりも)「心のかぜ」と言えるのではないか。という専門医の意見があるほど、実はかかりやすい病気なのではないかな。。。

 

さて、発症当時はマジきつかったす。心療内科を受診した際に主治医から「会社の人間関係からくるストレス」と言われ、原因の上司と戦う気力と体力がないばかりか、まず、仕事に支障が出た。思考能力の低下、処理速度の低下で、マルチタスクどころか、判断に時間がかかったり、簡単なAかBの判断さえできない。できないだらけ。自信喪失となることばかり。
それから、目覚めている時は不安でいっぱいになるから、寝るしかねぇ状態になりました。1日20時間は不貞寝してた。ぴーぴーぴーの長渕剛の世界かよ。といまでは、セルフツッコミも可能ですが。

一部の友人に話したところ、感覚がわからないとドン引きされたり、オーバーリアクションを取られたり、さらに落ち込む。唯一の話相手、うつ病経験者の親友に話したら、本を紹介されたりしたけど、弱っている時には本を読むことやテレビを見ることさえできなかったのです。集中力も低下していて、頭の中がオーバーキャパシティになっている!なんていう八方ふさがり。そこで、ひたすら原因から離れることに専念しました。

ひたすら身体を休め、少しずつ外出もできるようになり、数ヶ月が経った頃でしょうか。ストレスの原因とは対峙できるほどではないけれど、徐々に元気が出てきました。本調子まではまだだな、との実感はあったので、そこで一大決心。よーし、仕上げに大好きな国で療養してみますか。

(後編へ続く)

小さくはじめる

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自由と寛容な国オランダで、第2の人生はじめよう!

ライデンでこの夕景を見て、決めました。

職なし、宿なし、ヴィザなしだけど、行動あるのみ。

まずは、小さくはじめるよ。ブログを。